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  >  ニュース&コラム   >  シャルドネ6種類:ブラインドテイスティングイベントに参加して

友人の誘いを受け、エノテカ広尾店で開催された「世界のシャルドネ〈ブラインド・白〉6銘柄」というイベントに参加しました。シャルドネのみ6種類をブラインドで試飲できるという、非常に興味深い機会です。

何より、ムルソーやキスラーといった名だたるワインが試せるうえ、参加費はわずか3,300円。この破格の内容に惹かれ、即座に参加を決意しました。

エノテカでは定期的にこうしたテイスティングイベントが開催されているようですが、私自身が訪れるのは久しぶり。過去にシャンパーニュの試飲会に参加した記憶がありますが、それ以来の体験となりました。ワイン愛好家や学習中の方々の間でも評判が高く、人気のイベントであることがうかがえます。


ブラインドテイスティングとは?

「ブラインド」とは英語の“blind”に由来し、ワインの銘柄や産地を伏せた状態で試飲を行うことを指します。その目的は多岐にわたり、例えば資格試験では、受験者が香りや味わいを正確に分析し表現できるかが問われます。一方、今回のようなイベントでは、ゲーム感覚でワインの銘柄を推測し、楽しむことが目的です。

プロフェッショナルの世界では、品評会などでブラインドテイスティングが行われ、ワインの品質を厳正に評価します。大橋MW(マスター・オブ・ワイン)のセミナーでは、1本につき1分という驚異的なスピードで、外観、香り、味わいを分析し、100点満点で採点するという話を伺いました。その高度な技術には、ただただ感嘆するばかりです。

今回のイベントでも、ワインは番号のみが記された状態で提供され、参加者は与えられたテイスティングシートにコメントを記入しながら、各ワインの特徴を探ります。

テイスティングのプロセス

私はWSET(Wine & Spirit Education Trust)の方式に基づき、甘辛度、酸味、アルコール度数、ボディ、風味の強さ、余韻などをメモしました。

とはいえ、試験さながらの詳細なコメントではなく、香りの特徴を2〜4つ程度簡単に記録する程度。それでも、一緒に参加した方々から「きちんとコメントを残しているなんて偉いね」と言われました。

銘柄を推測する段階では、香りと味わいの傾向を手がかりにしましたが、正解したのは6種類中2種類のみ。ブラインドテイスティングの難しさを改めて実感しました。

ムルソーとキスラーを間違える

WSET方式のテイスティングでは、品質の良し悪しを明確に評価するため、高品質なワインを見極めるのに適しています。実際、今回試飲した6種類の中で、特に余韻が長いワインが3種類ありました。そのうち、バニラやトーストの香りが際立つ2本がムルソーとキスラーであると推測。

ムルソーはつい最近飲んだばかりだったため、馴染みのある香りを頼りに選択しました。しかし、結果は不正解。

私の中の固定概念では「アメリカのワインは濃厚でトーストの香りが強く、フランスのワインはエレガント」と思い込んでいました。しかし、実際には、ムルソーの方がボリューミーで、バニラやトーストの香りが強く、酸味も豊か。一方のキスラーは、わずかに甘い香りを伴いながら、よりエレガントな仕上がりでした。

改めて、香りの要素だけで判断する危うさを痛感するとともに、テイスティングの奥深さを実感しました。

まとめ

今回のブラインドテイスティングイベントは、単なる銘柄当てのゲームではなく、自分の味覚と香りの記憶を試す貴重な機会となりました。ワインの理解を深めるためには、こうした体験の積み重ねが重要であり、さらなるトレーニングを重ねていきたいと感じています。

この日の試飲ワインのラインナップについては、こちらの写真をご覧ください。

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