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現地オプショナルツアー:メドック・ワイン街道を巡るツアーに参加した話

2019年11月にフランスのボルドーを訪れました。現地オプショナルツアーを利用して、メドック地区のワイナリー 巡りをした時の体験談をご紹介いたします。

ツアーについて

予約について

今回参加したツアーは現地オプションツアーの予約サイトVELTRAで見つけ、予約しました。

世界に名を馳せるワイン生産地、ボルドー。その中でも数々の有名シャトーが集まるメドック地区のシャトー2軒の見学&試飲をお楽しみいただけます。5大シャトーにも数えられるシャトー・マルゴー等での写真ストップや、ポヤック港・バージュ村にて自由時間あり!

ボルドー メドック地区 メドック・ワイン街道4つのエリア巡り(マルゴー、サンジュリアン、ポヤック、サンテステフ)<試飲付/日本語ガイド/ボルドー発着>

>>> ボルドー メドック地区 メドック・ワイン街道4つのエリア巡り

参加費用は一人180ユーロ、日本円で22,000円前後です。

訪問予定のシャトーについて

最初に言葉のご説明だけしておきますね。(呼び方が異なり、混乱させてしまう恐れがあるので…)

ボルドーではワイン醸造所/ワイナリー のことを「Château(シャトー)」と呼びます。もともと「シャトー」は「お城」という意味ですが、ボルドーには読んで字の如くお城そのもののワイナリーも数多く存在します。

したがって、ボルドーに関してはワイナリーと同意語でシャトーという言葉を使います。この記事でも2つの言葉が混ざってしまっていると思いますが、どちらも同じ「ワイナリー 」という意味で使っていますのでご了承ください。

それでは本題に戻ります。今回のツアーでは、2箇所のシャトーを訪問しますが、訪問するシャトーは当日まで分かりません。

一応、どのようなシャトーを巡るかの例は掲載されていますので、それぞれ簡単にご紹介いたします。ラベルの写真のリンクも貼っておきます。シャトーの姿がそのままラベルになっているワインもあり、本物のシャトーを目にするのは感慨深いものがあります。

シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンとシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド

ツアーガイドには「ピション・ロングヴィル」としか記載されていないので、特定できませんでした…。というのも、「ピション・ロングヴィル」というシャトーが2つ存在するからです。

シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン(Château Pichon Longueville Baron)とシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande)はポイヤック村に位置する格付け2級シャトーです。

ピション家とロングヴィル家の結婚で生まれたピション・ロングヴィル男爵家ですが、19世期に2つに分割され、今日に至ります。いずれのシャトーも、畑はポイヤック村の中でもサンジュリアン寄りの場所に位置し、格付け1級のシャトー・ラトゥールと隣り合っています。

シャトーはお城そのものの優雅な建物で非常に印象的です。2つのシャトーは向かい合って建っているので、どちらかに訪問すれば、もう一方のシャトーも見ることができます。この記事内の「予定外の写真ストップ」の中でもご紹介しているので、もう少し下までスクロールしてみてください。

<シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン>

公式HP:https://www.pichonbaron.com/en/

<シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド>

公式HP:http://www.pichon-comtesse.com

シャトー・レオヴィル・ポワフェレ

シャトー・レオヴィル・ポワフェレ(Château Leoville Poyferre)はサンジュリアン村に位置する格付け2級シャトーです。

実は「レオヴィル」というシャトーは格付けの中に3つあります。かつては一つの畑だったレオヴィルは遺産相続で3つに分割されました。最後に残ったシャトー・レオヴィルには、当時の所有者であるラス・カーズの名がつけられます。現在でもポワフェレとラス・カーズは同じ建物の半分ずつを利用して醸造を行なっています。

公式HP:https://www.leoville-poyferre.fr/en/

シャトー・ラスコンブ

シャトー・ラスコンブ(Château Lascombes)はマルゴー村に位置する格付け2級シャトーです。

2001年に投資家グループに買収され、そこから急速な改革が推し進められました。今では格付け2級の名にふさわしいほどの素晴らしいワインを生み出しています。ラベルに描かれたシャトーの実物を見ることができます。

この記事内の「ワイナリー訪問」の中でもご紹介しているので、もう少し下までスクロールしてみてください。

公式HP:https://www.chateau-lascombes.com

シャトー・デスミライユ

シャトー・デスミライユ(Château Desmirail)はポイヤック村に位置する格付け3級シャトーです。

かつてのオーナー、ボルドー議会の弁護士であったジャン・デスミライユから名付けられました。見どころは醸造庫。19世紀の建築で、船を逆さにしたような船底の形をした天井と、その下にある鉄の梁は、産業時代を象徴する建築様式です。ラベルに描かれたシャトーの実物も見ることができます。

公式HP:https://www.desmirail.com/

シャトー・ベイシュヴェル

シャトー・ベイシュヴェル(Château Beychevelle)はサンジュリアン村に位置する格付け4級シャトーです。

帆が半分下がりかけている船がトレードマークで、日本の大手飲料メーカーのサントリーが共同経営しているシャトーです。もともとはフランス海軍提督として活躍したエペルノン公爵の城で、ジロンド川を通る船はシャトー・ベイシュヴェルが見える地点では帆を下げることで敬意を表したそうです。「帆を下げよ」という意味の「ベス・ヴォワル」が転じてベイシュヴェルと呼ばれるようになりました。

この記事内の「近くを通ったシャトー」の中でもご紹介しているので、もう少し下までスクロールしてみてください。

公式HP:https://beychevelle.com/?lang=ja

シャトー・プリュレ・リシーヌ

シャトー・プリュレ・リシーヌ(Château Prieure Lichine)はマルゴー村に位置する格付け4級シャトーです。

ワインの権威である故アレクシス・リシーヌ氏が1952年に取得し、育てあげたシャトーです。リシーヌ氏の死後、1999年にレストランガイド「ゴー・ミヨ」の出版社や、牧畜、運輸業などを束ねる企業の総師ルイ・バランド氏が2,850万ドルで購入しました。バランド家は、世界的なワイン醸造コンサルタントのミシェル・ロラン氏とステファン・ドゥルノンクール氏を招き、畑と醸造を改善しました。ラベルに描かれたシャトーの実物も見ることができます。

公式HP:https://www.prieure-lichine.fr

シャトー・カマンサック

シャトー・カマンサック(Château Camensac)はサン・ローラン村に位置する格付け5級シャトーです。

格付けシャトーの中では無名でしたが、スペイン出身のフォルネル兄弟によって生まれ変わりました。畑の多くは植え替えられ、設備も全て最新の物に一新しています。訪問の際は、キレイな醸造庫・熟成庫に是非ともご注目ください。

この記事内の「ワイナリー訪問」の中でもご紹介しているので、もう少し下までスクロールしてみてください。

公式HP:http://www.chateaucamensac.com

ツアーの魅力

日本語対応

このツアーの一番の魅力は、なんと言ってもドライバー兼ガイドさんがボルドー在住の日本人というところです。ワイナリー見学中にシャトーの方が話すフランス語を全て日本語へ通訳してくださいますし、ボルドーのワイン造り&シャトーの裏話、オススメのお店、ボルドーの現地情報なども聞くことができます。

とても感じの良い女性のドライバー兼ガイドさんで、話しやすくてとても良かったです。

シャトー2軒を訪問

ワイナリーを訪問し、お話を伺い、醸造庫・熟成庫・その他を見学させていただき、テイスティングまで楽しむためには、1軒につき1時間程度かかります。移動時間も考慮すると、1日で回れるワイナリーというのは、そう多くありません。

このツアーでは2軒ものシャトーを訪問してくれるので、効率よくワイナリー巡りを楽しめます。さらに事前に予約も入れておいてくれるので、面倒な手配も不要です。

さらに、ワイナリー訪問の予約は、空いている日時の調整を英語でやり取りする必要がありますし、人気の高いシャトーは予約が埋まっていて行けないこともあります。ツアーを使うと、そうした煩わしさから解放されるのもメリットです。

有名シャトーで写真ストップ

写真ストップとは、有名な観光地で下車し、外観だけ見学できることです。外観だけの見学なので、中には入りません。記念撮影のための時間とも言えますね。

このツアーでは、5つあるメドック格付け1級シャトーのうち、なんと4シャトーで写真ストップをしてくれます。せっかくボルドーを訪れたのだから、メドック1級のシャトーはこの目に焼き付けて帰りたい。そんな願いを叶えてくれるツアーです。

写真ストップで立ち寄るのはシャトー・マルゴー、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ラトゥール。

ちなみにもう一つのシャトー・オー・ブリオンは「メドック」格付けの1級に格付けされているにもかかわらず、実際にはメドック地区にはありません。ペサック・レオニャンといって、ボルドー市内から車で20分ほどの場所にあります。したがって、このツアーでは残念ながら回ることはできません…。

デメリット

訪問シャトーはお任せ&当日まで不明

一応、訪問シャトー例は記載されていますが、実際に訪問するシャトーは当日にならないと分かりません。またリクエストも受け付けていないそうです。

訪問シャトー例は上述の通りですが、これ以外のシャトーを訪れる場合もあるようです。

スケジュール

ツアーのスケジュールはこちらです。朝から1日使って、メドック地区を満喫できるコースです。

  • 8:50 カンコンス広場に集合(もしくはホテルまで送迎)
  • 10:00 写真ストップ@シャトー・マルゴー(Château Margaux)
  • 10:30 1軒目シャトー訪問(サンテステフ村orポイヤック村)
  • 12:00 写真ストップ@シャトー・ムートン・ロートシルト(Château Mouton Rothschild)、シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite Rothschild)
  • 12:30 ポヤック港&バージュ村散策 (自由時間)
  • 14:00 写真ストップ@シャトー・ラトゥール(Château Latour)
  • 15:00 2軒目シャトー訪問(マルゴー村)
  • 17:00 カンコンス広場にて解散(もしくはホテルへ送迎)

ツアー体験記

集合

集合場所はボルドー市内の中心部にあるカンコンス広場(Place des Quinconces)の駐車場です。カンコンス広場自体とても大きな広場なので、駐車場の場所はわかるか不安でした…。

徒歩の場合、広場の脇にあるブリストル通りに入れば、駐車場にはどこからでも入れます。集合場所として指定されるのは駐車場にある屋根のある建物です。この建物は小屋のような小さな建物で、駐車場のちょうど中央に建っています。

略地図も作成してみました。カンコンス広場にあるモニュメントは非常に大きく、離れたところからでも識別できるので、目印になると思います。

ボルドー発ツアーの集合場所地図(カンコンス広場駐車場)

移動

移動はステーションワゴン型の乗用車でした。ツアーと言っても大規模ではなく、私たちともう1組の2組4名のツアーでしたので、乗用車での移動となります。

移動中、ドライバーさんはずっとボルドーについて解説をしてくださったり、ツアー参加者の旅程を聞きながら、オススメのお店などを紹介してくれました。

たとえ一人の参加だったとしても、退屈することなく楽しい時間を過ごせると思います。

ワイナリー訪問

このツアーでは2軒のシャトーを訪問し、それぞれのワイナリーで見学、試飲ができます。私が連れて行っていただいたのは以下の2軒のシャトーでした。

それぞれ詳細を記事にしているので、ぜひご覧ください。

写真ストップ

ツアー概要では、1級シャトーの4つで写真ストップをすると書いてありましたが、実際はもっと多くの有名シャトーを訪れてくださいました!

まずは予定通りの1級シャトーの写真からご覧ください。

シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴーでは時間をたっぷり取ってくれて、閉鎖中の醸造施設の中を覗くことができました。並木道を抜け、ラベルとまったく同じシャトーの姿を目にすると、胸が高鳴ります。

Château MargauxChâteau MargauxChâteau MargauxChâteau Margaux

シャトー・ラトゥール

ラベルに描かれている塔に似た建物を目にしますが、これはハト小屋らしく、ラベルにある塔は現存していないそうです…。残念。しかし、わかりやすく「シャトー・ラトゥール」と書かれた門があるので、ここは絶好の記念撮影ポイントだと思います!

塔とブドウ畑の向こうにはジロンド川が見えます。

BordeauxChâteau LatourBordeaux

シャトー・ラフィット・ロートシルト

少し離れていますが、ラベルと同じように見えるポジションから見学です。よく見ると、屋根にラフィットのトレードマークである5本の矢のエンブレムがあります。

LafiteLafite

シャトー・ムートン・ロートシルト

ラフィットと目と鼻の先にあるシャトー・ムートン。実はこのツアーの前に、個人でシャトー・ムートンを訪問していたので、2度目のシャトー・ムートン訪問となりました。シャトー・ムートンは毎年異なる絵柄でラベルを出すので、ラベルの写真は割愛させていただきます。

>>> ワイナリー巡り:格付け1級 シャトー・ムートン・ロートシルト

Mouton

予定外の写真ストップ

予定には入っていなかったのですが、写真ストップしてもらえたシャトーもあります。いずれも有名なシャトーですし、美しい建物をじっくり見ることができて嬉しかったです。

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド

Bordeaux

シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン

Pichon LonguevilleBordeaux

シャトー・コス・デストゥルネル

東洋風のシャトーが目を引く2級シャトーのコス・デストゥルネル。

Bordeaux

近くを通ったシャトー

下車しての撮影はできなかったシャトーも、車で通過する際に「ここがあのシャトーですよ」と教えてくださるので、移動中もとても楽しめるツアーでした。私が上手く写真を撮れなかっただけで、他にも多くのシャトーを通りかかります。

シャトー・パルメ

Bordeaux

シャトー・マルキ・ダレーム・ベッカー

Bordeaux

シャトー・ベイシュヴェル

BeychevelleBeychevelle

ポイヤック港

お昼はポイヤック港周辺で自由行動です。ポイヤック港周辺にはいくつかレストランがあるので、そちらでお昼を食べました。

そしてこちらがポイヤック港の様子。「港」という名前ですが、面しているのは海ではなくジロンド川です。

フランス南部の内陸部から流れるドルドーニュ川と、スペイン国境にあるピレネー山脈から流れるガロンヌ川が合流し、このジロンド川になります。

BordeauxBordeauxBordeaux

まとめ

以前は「写真ストップって意味あるの?」と思っていたこともあったのですが、馬鹿にして本当にごめんなさい!という気持ちでいっぱいです。ボルドーの美しいシャトーは見るだけでも十二分に楽しめます。

マルゴー村ではとてもお買い得なワインショップにも連れて行っていただけたし、やはり現地に住んでいるガイドさんは情報量が違います!

自力ではなかなか回れない場所に連れて行ってもらえますし、しっかり解説もしてくださるので大満足のツアーでした。