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広尾ワイン会「テーマはパイオニア」

きっかけ

朝起きたらX(元Twitter)を確認するのが習慣の私。その日も起床し、なにげなくXを見たところ、ワイン商えいじさんからDMが届いていました。

送信時刻5:56。

朝はっや!!!

内容は、ワイン会にキャンセルが出たから来ませんか?というお誘いでした。こんな朝早くにワイン会に誘われるのは生まれて初めてです。さすができる男は違う。

えいじさんから直々にお誘いが来たなら、行かないわけにはいきません。お誘いから2時間以内に参加表明をし、謹んで参加させていただいたのでした。

それにしても「パイオニア」ってなんだろ?どこの国のワインとも、何も書いていない…。個人的には、パイオニアといえば「バローロ・ボーイズ」かなとか思ったけど、そういえば、そんな単語はこの5年間くらいは見ていませんね。結論から言うと、バローロ・ボーイズではありませんでした!

他の方々のブログなどを拝見すると、ワインを軸に書かれてるようなので(ワイン会だからな)、私はお食事を軸に書いていきます!それではレッツゴー!

アミューズ:オカダ風オニオンとパンチェッタのミニタルト

サクサクとしたタルトに、甘い飴色玉ねぎの味がクセになるアミューズには、南アフリカのロゼスパークリングを合わせます。

グラハム・ベック ブリュット・ロゼ 2018 

南アフリカ共和国のワイン業界において、グラハム・ベックはその名を刻むパイオニア的存在です。1983年、ロバートソン地区に設立されたこのワイナリーは、創業者であるグラハム・ベック氏は石炭採掘で成功をおさめた後、ワイン産業にもその情熱を注ぎ込みました。

彼らはメソッド・キャップ・クラシック(Methode Cap Classique)という、伝統的な手法を用いてスパークリングワインを生産しています。これは、シャンパーニュ同様、二次発酵を瓶内で行うことで、繊細な泡立ちと複雑な風味をワインにもたらす方法です。

今回のワインは、ピノ・ノワール90%とシャルドネ10%から作られています。ピノ・ノワールはステレンボッシュの沿岸部で栽培されたものを、シャルドネはロバートソンのものを使用しています。混醸、プレス、そして4年間の瓶内熟成を経て、その味わいはさらに洗練され、深みを増しています。

アミューズに使われている飴色玉ねぎの旨みや甘味が、ロゼスパークリングの爽やかな旨みやコクと良くあっていて、とても美味しかったです。

前菜1:自家製パテ・ド・カンパーニュ ~パリのレストラン ルマズネイ風~ 赤玉葱のピクルスとカシューナッツ添え

最近パリに行ったばかりのシェフが、パリの本場の味を学んできて、それを再現したという渾身のパテ・ド・カンパーニュ。とりあえずめちゃくちゃ美味しかったです。フレンチ最高だな。合わせるワインは2種類。リースリングとシャルドネです。

ゲオルグ・ブロイヤー リースリング・ロルヒ2021

1980年代、ドイツワインと言えば甘口が主流でした。しかし、先代のベルンハルト・ブロイヤー氏は、この伝統に一石を投じ、辛口への移行を推し進めました。この変革は、ラインガウのワイン造りに新たな風を吹き込み、リースリングの新しい魅力を世界に広めるきっかけとなりました。

このワインはリースリング100%で造られ、ラインガウ西側のロルヒ村の村名クラスのブドウを使用。大樽とステンレスタンクでの熟成が、このワインの複雑さと深みを一層引き立てます。

香りはリースリングらしい貝殻や白い花のアロマが広がります。また、リースリングの特徴である上品なペトロール香も。モーゼル地方のリースリングに見られるような優美な白い花の香りよりも、幾分華やかさは控えめで、凛とした印象です。

個人的にはとても好きなワインです。お料理のパテドカンパーニュに負けないグリップ感というか、口中で美味しさがまとわりつくような感覚。ああ美味しい。

フェルトン・ロード・シャルドネ・ブロック2 2013

ニュージーランド・セントラルオタゴのシャルドネです。

セントラルオタゴはピノ・ノワールで最もよく知られていますが、この地域で生産されるシャルドネも非常に高品質で、ワイン愛好家の間で注目を集めています。

フェルトンロードは、1991年にスチュワート・エルムズによって設立され、その後、1997年のピノノワールがロバート・パーカーに高く評価されたことで世界的な注目を集めました。ワイン名の「ブロック2」はエルムズ・ヴィンヤード内の東向きの穏やかな斜面に位置しています。自然発酵とマロラクティック発酵(MLF)が行われ、オーク樽(新樽なし)で18ヶ月間、澱とともに熟成されます。ワインに複雑さと深みを加える醸造方法で作られるワインは、さらに無清澄、無濾過で仕上げられています。

こちらのワイン、スクリューキャップで10年も瓶内熟成されていたんですね。そのせいか、最初あまり馴染みのない爽やかな青い香りがしていたのですが、開き出すと熟したストーンフルーツ感が溢れ出してきました。

こちらはグリーンサラダにも寄り添っていて、おいしかったです。

前菜2:石川県金沢から届いたカニとアボカドのエミエット & イカとパプリカのハーブマリネ

次の前菜に合わせたのはアルザスワインとオレンジワインです。どちらのワインも、アボカドに合っていたし、長細くカットされたリンゴともマッチして美味しいのです。リンゴは特にアルザスワインに合います。

マルセル・ダイス ロテンベルグ・プルミエクリュ マグナム 2017

これがアルザスワインのマグナムボトルです!!こんなボトル、初めて見た!!

フランスのアルザス地方を代表するワイナリー、マルセル・ダイスは、その地域の伝統的なワイン造りに新たな息吹を吹き込んでいます。

アルザスはドイツだった歴史も長く、地名や人名はゲルマン語系に由来するものが多いんですね。そうすると、ラテン語系のフランス人には読みにくいものも多く、そこでブドウ品種名をラベルに記載するようになったそうです。

そんなアルザスのワイン文化に一石を投じたのがジャン・ミッシェル・ダイス氏、彼は畑の個性を尊重し、テロワールの概念をアルザスワインに根付かせ、AOC法の改正も実現しました。なお、ワイン名にある「プルミエクリュ」表記。アルザスには「プルミエクリュ」というAOCは存在しません。この独自表記は、ジャン・ミッシェル・ダイス氏が提唱するテロワールへの深い信念を反映しています。

ワイン名にある「ロテンベルグ」は「赤い丘」を意味し、その名の通り鉄分を豊富に含む石灰土壌が特徴です。

今回のワイン、リースリングとピノ・グリを約50:50の割合で混植・混醸しています。ブレンドではないこのアプローチは、りんごや蜜の濃厚な香りの他に、ワイルドな印象を醸し出しています

ハインリッヒ ロータートラミナー・フライハイト 2021

ここでオレンジワインの登場です!オレンジワインとは、通常の白ワインとは異なり、白ブドウの皮を一緒に発酵させることで作られます。これにより、ワインに若干の色合いやタンニンが加わり、特有の風味やテクスチャーが生まれます。

「Heinrich Roter Traminer Freyheit」は、オーストリアの東に位置するブルゲンラントにあるワイナリーであるHeinrich(ハインリッヒ)が生産しているオレンジワインです。

このワインは、ゲヴュルツトラミナー100%で作られており、アンフォラでの17ヶ月間の熟成を経ています。澱を残し、無濾過無清澄で仕上げられたこのワインは、濁りがありながら、オレンジの砂糖漬けのような香りと、甘くない独特の味わいを持っています。

魚介料理:熊本県天草から届いたサワラのソテー ジュネーブ風~赤ワインフィッシュソース~

この一皿、とても興味深いですね。サワラは白身魚なので、レモンクリームソースなどと合わせているお料理などを良く見かけるのですが、今回はなんと赤ワインのソースです。

赤ワインソースが食材とワインの橋渡しとなってくれて、赤ワインととても良く合います。こういう合わせ方もあるのか〜、と学びは深いですが、こんな素晴らしいお料理、お家で再現できません…。また来よう。

合わせたのは2種類+オカダさんからのスペシャルワイン1種類(Morgon)。

Morgonはフランスのボジョレーに位置しています。(たしか)シェフがボジョレーにずっと住んでいらっしゃった関係で、今回もMorgonのワインを出していただけることになった、と記憶しています。

この辺りからお酒が回りまくって、メモが怪しい…。

ヒメネスランディ エル・コラロン2020

ヒメネスランディ エル・コラロン2020は、スペインのシエラ・デ・グレドス地域(メントリダ村)にあるBodegas Jimenez-Landiによって生産されるワインです。この地域は、ガルナッチャ種のモダンなスタイルのワインで知られており、ダニエル・ゴメス・ヒメネス・ランディが2004年に設立したこのワイナリーは、放棄されていた古木のガルナッチャ畑を復活させました​​​​​​。

このワインはガルナッチャ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドで構成されており、アルコール度数は約14〜15%です。畑は500メートル以上の高地に位置し、花崗岩やスレートなど痩せた土壌が特徴です。ワインは80%をオーク樽で、残り20%をステンレスタンクで約10ヶ月熟成させることで、豊かな風味と複雑さを引き出しています。​​​

フリードリッヒ・ベッカー シュペートブルグンダー Bマグナム2012

ファルツ地方はドイツ南西部に位置し、温暖な気候と多様な土壌を持つワイン産地です。この地域は特に白ワインで知られていますが、近年ではシュペートブルグンダー(ドイツでのピノ・ノワールの呼称)などの赤ワインも高い評価を受けています。

フリードリッヒ・ベッカー氏は、ファルツ地方で最も著名なピノ・ノワールの生産者の一人です。彼の父は、戦後に協同組合を設立し、ファルツ最大の組合醸造所にまで成長させました。しかしフリードリッヒ・ベッカー氏は、その後を継がず、自身のワイナリーを設立。ドイツワイン界での名声を確立し、ドイツの赤ワイン製造における最高峰の一人と認識されています。

今回のワインは、そんな名声を得ているピノ・ノワール100%から造られています。このワインは、石灰岩の土壌で育ったブドウを使用し、大樽および小樽で16ヶ月熟成させた後、無濾過・無清澄でボトリングされています。”B”はBecker Basis Barrelを意味しているそうです。

ラベルにあるキツネは「酸っぱいブドウ」に由来しているそうです。協同組合が作る大量生産ワインに対抗して、1970年代に作った自分のワイン。周りから、そんな酸っぱいブドウでワインを作れないだろ!と言われた経験を、アイロニックな形で表現しているラベルです。と教えていただいた気がします。間違えていたらごめんなさい。

お肉料理:山口県萩から届いた見蘭牛イチボのステーキグラタンドフィノワ添え

いよいよメイン料理!しかしながら、最近ダイエット中で胃が小さくなってしまったのか、完食できず無念のリタイア…(´;Д;`)

しかも酔いすぎてふわふわした記憶しかない。(当然メモなんてない)

でも美味しかった記憶だけはあります…きっとある、たぶんある。

ル・セー・デ・カルム・オー・ブリオン2019 

(え?写真は?)

Le C des Carmes Haut-Brion 2019は、ボルドー地方ペサック・レオニャンに位置するChâteau Les Carmes Haut-Brionによって生産されたワインです。このワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー34%、プティ・ヴェルド1%のブレンドで、30%が全房発酵され、砂利の土壌で栽培されたブドウから作られています​​。ワインの製造過程では、全房発酵とパッシブ・エクストラクションが用いられ、アンフォラやセメントタンクでの熟成も行われています​​。

このワインは黒系果実の香りが特徴的。全房発酵で、茎や花梗が一緒に発酵するので、わずかな青臭さがあるものの、アルコール度数を低く抑える効果があるそうです。

そういえば、最近読んだ本に「フランス人は、日本人の多くが青臭いと感じるカベルネ・フランの味と香りをフルーティーと形容する。彼らにとっては、ロワールの赤ワインの香りは、木いちごやすみれの香りなのだ」とあったので、たぶんこれはフランス人的にはフルーティーなのだと思います。

カテナ・サパタ ニコラス・カテナ・サパタ2011

(え?え?写真は?ついでにメモもない。オワッタ…)

アルゼンチン・メンドーサの高級ワインです。1902年に設立されたこのワイナリーは、3代目のニコラスが高級ワイン志向への転換を図りました。2001年の「NCZ」リリース以降、国際的な品評会での成功を受け、世界的に注目されるようになりました。現在は4代目のラウラが研究開発に注力し、品質向上を目指しています。

このワインはカベルネ・ソーヴィニヨン80%とマルベック20%のブレンドで、950mから1450mに位置する様々な畑のブドウを使用しています。メンドーサの高い標高と冷涼な気候、豊富な日照量により、ブドウはゆっくりと成熟し、高い凝縮度とポリフェノール、酸味を持つワインが生まれます。10%は全房発酵で、残りは24ヶ月間フレンチオーク樽で熟成されます。

ドメーヌ・コアペ ボレロ ジュランソン・モワルー2020

フランス南西地方のジュランソンに位置するワイナリー、ドメーヌ・コアペボレから生産されています。造り手のアンリ・ラモントゥ氏は、もともと果樹や穀物を育てていた家系出身で、1980年にブドウの生育環境における個性の変化に魅せられワイナリーを設立しました。彼は独学でワイン造りを行い、1988年には世界最高の甘口ワインを決めるテイスティングで第5位に入賞し、産地のスターとなりました。

このワインはプティ・マンサン種100%を使用しており、樹上で自然に乾燥させたパスリヤージュされたブドウを10月と11月の2回に分けて収穫します。1回目の収穫では12時間のスキンマセラシオンを行い、2回目の収穫では直接圧搾を行います。その後、オーク樽で8ヶ月間熟成させます。

甘口ワインは良いですね〜。体に染み入ります。お食事とかデザートとかなくても、単体でするする飲めます。

まとめ

このあと、みなさんと集合写真を撮影し、3名くらいと一緒に広尾駅に向かって無事に帰りました。誰にも迷惑をかけていないからOK!

前回の広尾ワイン会(ブログに記載なし)とも、とても楽しい時間を過ごせました。えいじさん、オカダさん、参加者の皆さん、ありがとうございました!