コンビニペアリングに感動
新しい発見で感動したことがありました。ワインはお料理とのペアリングを楽しむお酒という印象があります。
最近Twitterでは「コンビニペアリング」が流行っています。一つのコンビニの中で買えるワインと惣菜を上手に組み合わせてペアリングを楽しむというのを、某有名ソムリエさんが提案してくださっているのです。
今回、私が見かけたのはセブンイレブンで買えるワインと惣菜のペアリングです。ワインはKAPUKA(カープーカー)ソーヴィニョン・ブラン。惣菜はサラダフィッシュ バジル味 ほぐしサーモン。両方買って税抜1,108円です。きゅうりとトマトを切ってほぐしサーモンを盛り付けるだけという超簡単レシピもありがたい。このペアリングがとても美味しかった!というのが今回の感動です。
これまでソーヴィニョン・ブランをどんなお料理に合わせたら良いか分かっていなかったので、こうやって合わせるのか!という発見があったのが1つ目の感動ポイント。
さらに、このほぐしサーモンは、一歩間違えると魚臭さやが出てきそうな食材ですが、きゅうりとトマトとワインの青臭いニュアンスにより、味わいに爽やかさが加わりとても美味しい!というのが2つ目の感動ポイントでした。
ソーヴィニョン・ブランは草木の香りが特徴的です。ボルドーではセミヨンやミュスカデルというブドウ品種などとブレンドし、樽を使ったワインが作られることが多いです。一方、ロワール地方ではソーヴィニョン・ブラン単体かつ樽を使わずに作る爽やかな風味のワインが主流です。ロワール地方の中でも内陸部に位置するサンセールやプイィ・フュメが有名です。
今回のワインであるKAPUKA ソーヴィニョン・ブランはニュージーランドのワイン。ニュージーランドは1970年代からソーヴィニョン・ブランが植えられ始め、CLOUDY BAY(というワイナリー)の成功により一躍著名になりました。中でも南島の北端に位置するマールボロは有名で、KAPUKA ソーヴィニョン・ブランもマールボロのワインです。
ワインの裏ラベルにある説明文はこのように書いてあります。
ニュージーランド有数のワイン産地、マールボロ地区のソーヴィニョン・ブラン種を使用した辛口白ワイン。魚介類や軽い肉料理とよく合います。ライムなどの青い柑橘やレモングラスの香り。果実のシャープな酸味が長く続く、ソーヴィニョン・ブランの典型的な味わいです。
ワインの裏ラベルより
「セブン&アイグループとメルシャンの共同開発商品。ボトリングはメルシャン」とも書いてあります。多分ですけど、ニュージーランドではワインを瓶詰めせず、バルクワインとして輸入し、日本国内でボトリングをしているのでしょう。こうすることで輸送費のコストダウンに繋がります。コンビニで売られるワインというのは、基本的に大量生産型のワインが多いです。そうでないとあんなにたくさんあるコンビニに対し、安定した供給ができないので。さらにワインショップではないので、一般的なワイン好きな人なら普通に購入しちゃうような、3,000円とか5,000円とかするワインは多分ほとんど売れないでしょう。コンビニで売れるワインの価格はせいぜい1,000円程度。したがってメルシャンでボトリングしているというのは、1,000円以下で高品質のワインを実現するための企業努力と見受けられます。
以前のコンビニワインといえば、渋くてあまりおいしくないワインが多かったような気がしますが、オーストラリアやチリ、アメリカ、さらに南フランスなどからの安くて美味しいワインが勢力を伸ばしたおかげで、飲みやすくて美味しいワインが簡単に手に入るようになったのは嬉しい限りです。
ニュージーランドはあまり安ウマワインのイメージないですね。日本のように湿度が高いので、ブドウ栽培は決して容易とはいえない産地です。だからこそ、安ウマワインを作るためには、上記のような地道なコストカットが必要なんだと思います。