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山梨ワイナリーツアー:勝沼醸造

2023年6月、ゆるワイン部のみなさんと一緒に「大人の遠足 山梨ワイナリーツアー」に行きました。

3軒めに訪問したのは勝沼醸造さんです。1軒めと2軒めの様子はこちらの記事をご覧ください!

勝沼醸造について

勝沼醸造は、山梨県に位置するワイナリーであり、日本ワインの代表的な存在です。その魅力は、チャレンジ精神と確かな品質への追求にあります。

日本では、ブドウはずっと食用として広く愛されてきました。昔は、生食用のぶどうは糖分補給のために使われていました。要するに、薬の代わりだったのです。そんな中、明治時代にワイン作りが推奨されます。

とはいえ、歴史的にはずっと食用のぶどう作りが行われてきたので、ワイン作りには、食用に向いていないぶどうが使われます。食用に向いていないと言う事は、ブドウに糖分が足りないということです。糖分が足りないので、醸造において、砂糖を加える、つまり、補糖は当たり前のように行われてきました。

勝沼醸造では、これまでの日本のワイン作りでは、世界と戦えない!と考え、独自の製法を取り入れることにしました。

補糖の代わりに、フリーランジュースを凍らせてアルコール発酵させる冷凍果汁仕込みへと変えました。この製法によって生まれた「アルガブランカ」は、2004年に誕生し、世界的に評価されるようになります。

ここでちょっとおさらいです。「日本ワイン」は、国産ぶどうのみを原料とし、日本で製造されたワインのことです。「アルガブランカ」が登場した2004年は、まだ「日本ワイン」というカテゴリーはなく「国内製造ワイン」としてしか認識されていませんでした。

しかし、和食のお店で合わせることができるようなワイン作りを目指して、丁寧なワイン作りを行う日本のワイナリーさんたちが「日本ワイン」の生産に取り組みました。その努力の結果、日本ワインは徐々に認知され、広がってきています。

甲州は山梨県の気候と土壌に適した品種であり、長い間、この土地で栽培されてきました。甲州でなら、他の土地に負けないワインを作れる!と、甲州ワインの地位確立を目指し、立ち上げたのが「アルガブランカ」でした。「アルガ」は社長一族の苗字、「ブランカ」は白ワインを表しています。

勝沼醸造は山梨県と日本ワインを代表するワイナリーの一つであり、ますますの発展が期待されるワイナリーです。

Katsunuma WineryKatsunuma Winery

こちらは立派な欅の柱です。

Katsunuma Winery

畑見学

勝沼醸造のワイナリーツアーでは、実際のぶどう畑も見学することができました。目の前に広がるぶどう畑では、まずは勝沼醸造の代表的な品種である甲州が栽培されていました。「一文字短梢」という剪定方法で仕立てられています。

もともとこの畑では、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネを植えていました。しかし、12〜3年前、もっとこの地に向いたブドウ品種を探求しようと考え、600本を全て甲州へと植え替えたそうです。

この辺りの土壌は火山灰の入った粘土質土壌です。1000年以上も甲州は育ってきているので、甲州はこの地域の気候に合っているはず。そう考え、甲州の植え替えを決行したそうです。

樹齢30年以上のぶどう樹から収穫される甲州は、繊細な味わいを持ち、高品質なワインの原料となります。

Katsunuma WineryKatsunuma WineryKatsunuma WineryKatsunuma Winery

こちらは別の所有者さんの畑らしいですが、食用のブドウの「甲斐路(かいじ)」が栽培されています。食用のぶどうなので、みずみずしく粒が大きいことが望まれます。そのためスプリンクラーを使って散水が行われるそうです。

先ほどの甲州と比較すると、かなり幹が太いです。驚くべきことに、両方とも同じくらいの樹齢なのです!育て方によって、こんなにもブドウの育ち方は変わるんですね。

Katsunuma Winery

甲州同様、山梨の気候に合ったぶどうを育てようと言うところで、シラーの栽培も始めました。今年で2年目だそうです。ブドウは植えてから初めて収穫するのに3〜4年はかかります。見学させていただいたシラーは、まだ小さな苗木でした。これから大きくなって、美味しいシラーワインがリリースされるのが楽しみですね。

Katsunuma Winery

視聴ルーム

畑見学の次は、勝沼醸造について学ぶため、試聴ルームへと通していただきました。

このお部屋、リーデルグラスがずらり!と並んでいます。

ワイングラスで有名なリーデル社は、シャルドネ用、カベルネ・ソーヴィニヨン用など、ブドウ品種に合わせたグラスを販売していることで有名です。甲州ワインの世界的な地位確立を目指す勝沼醸造の有賀社長は、甲州用のグラス発売を熱望していました。

そこで、この部屋をリーデルグラスでいっぱいにして、ショールームのような形にしました。

日本にこうしたショールームがあるワイナリーがあることが、リーデルに伝われば、何かのきっかけになるのでは。と考えたそうです。

Katsunuma Winery

その思いがリーデルに通じ、甲州用のグラスが発売されることになりました。それがこちらです。

Katsunuma Winery

革新的なワイン作りで作られる高品質なワインは、着実にその地位を築き、あの有名ワイン漫画「神の雫」にも登場しました。

Katsunuma Winery

他にも、歴史的な資料も展示されていましたが、じっくり見る時間がなく、写真だけパシャリ。

Katsunuma WineryKatsunuma WineryKatsunuma WineryKatsunuma Winery

日本遺産

山梨のブドウ&ワイン作りは日本遺産に登録されています。

日本遺産ポータルサイト「葡萄畑が織りなす風景」

Katsunuma Winery

ワイナリーの屋上からは、そんな美しいブドウ畑を一望することができました。天気が良くなくて残念…。

テイスティング

ワイナリーツアーの最後を締めくくるのは、美味しいワインのテイスティングですね!

勝沼醸造さんでは、プリペイドカードを購入し、テイスティングの機械からセルフサービスで注ぎ、テイスティングできます。量も選べるので、少なめに注げばたくさんの種類を試せますし、お気に入りのワインがあれば、それを多く飲むこともできます。

私は「アルガブランカ」シリーズを、少しずつ色々試してみました。すっきりタイプから、樽を使ったフルボディタイプまで色々あって、甲州という品種の懐の深さを感じることができるテイスティングとなりました。

Katsunuma WineryKatsunuma WineryKatsunuma Winery

以上、勝沼醸造でのワイナリーツアーの様子でした。山梨県ならではの豊かな自然環境と長い歴史を感じながら、勝沼醸造のワインを味わう貴重な体験となりました。

インフォメーション

  • 勝沼醸造株式会社
  • 〒409-1313 山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
  • https://www.katsunuma-winery.com/