Top

飲んだワインたち(2021年2月)

2021年2月に飲んだワインたちをご紹介します。

店頭で買うときは、そのワインに関するざっくりとした素性しか分からないまま買っているのですが、ワインの勉強も兼ねて、できるだけそのワインについても調べてみました。

ルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ノンフィルター 2020

11月の第3木曜日に解禁されるボジョレー ヌーヴォー。こちらのワインは事前予約をして買ったものの、まだ飲んでいなかったボジョレー ヌーヴォーです。ボジョレーに限らず、ヌーヴォー(新酒)は早く飲むことを前提として作られているため、遅くとも一年以内には消費したいワインです。

こちらのルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ノンフィルターは、ルイ・ジャド社が作るボジョレー ヌーヴォーです。「ノンフィルター」の名の通り、濾過をせずに作られているため、豊かでしっかりとした味わいとコクを楽しめるワインとして評判です。特に2020年は天候に恵まれ、果実味豊かなとても美味しいボジョレー ヌーヴォーを楽しめる年でした。

エル・バール アルヘンティノ マルベック 2019

ボデガ・サンタ・ジュリアというアルゼンチンの(たぶん)大手ワイナリーが手掛ける安ウマワインです。ボデガ・サンタ・ジュリアはアルゼンチンNo.1のオーガニックワインメーカーであると同時に「フェア・フォー・ライフ」という認証も取得しています。このフェア・フォー・ライフ、今話題のSDGsに配慮した経営を行っている企業に与えられるものらしく、ボデガ・サンタ・ジュリアではワイナリーで働く人たちに公平な労働条件を与えたり、環境に配慮したワインづくりをするなど、絶え間ない努力をしている企業です。

エル・バール アルヘンティノ マルベックは、アルゼンチンの主要なワイン産地であるメンドーサで作られたワインです。ブドウ品種はマルベック。マルベックはアルゼンチンを代表するブドウ品種で、非常に色が濃く、タンニンの多いワインが作られます。アルゼンチン人はステーキをよく食べるので、ステーキに合うマルベックのワインが多く作られているのです。

香りは熟したブラックプラム、ブラックチェリーと、わずかにブルーベリー、バニラのような樽の香りがあり、スワリングするとクローブの香りも出てきます。甘いスパイス香が魅惑的でした。タンニンは感じましたが、嫌なギシギシ感はなく、飲みやすいワインでした。

シャンパーニュ ドラピエ カルトドール ブリュット NV

ワインの神様、大橋MW(マスターオブワイン)のワインセミナーで提供されたワインです。

オーガニック栽培、ピノ・ノワール中心、ドザージュが低いのがドラピエの特徴です。リンゴ、洋梨、桃、バニラ、ハチミツ、濡れた石、ブリオッシュ、パン生地の香り。

スタインガーテン リースリング バロッサ 2018

こちらも勉強会ワインです。

オーストラリア バロッサのリースリングです。夜間に収穫された高品質なイーデン・ヴァレーのブドウとスタインガーテンの手摘みのブドウを使用しているため、アルコール度数が低く、顕著なフローラルな香りを感じます。しばらくするとペトロール香りも出てきました。

オーストラリアワインの大手ジェイコブスクリークが手掛けたワインです。大手企業が手掛けたとは思えないほど、個性的で美味しいワインでした。

クネ モノポール ブランコ・セコ 2017

勉強会ワインは続きます。

スペイン、リオハの白ワインです。ブラインドテイスティングだと、アメリカンオークの香りから「アメリカのシャルドネ?」とも思いましたが、アメリカのシャルドネだともっとパワフルな果実感あるような…。このワインはもっと果実の感じが穏やかなのです。私にとっては凄く謎めいたワインでした。

ビウラという品種主体で作られたワインでした。ビウラ主体のワインは多分初めて飲みます。さらに、白ワインにマンサニーリャ(シェリー)を加える伝統的な製法で作られるワインだそうです!それは謎めいたワインだと感じるはずですね!

レオパード・コースト 2018

南アフリカの西ケープ州で作られた赤ワインです。南アフリカワインの90%以上が西ケープ州で作られていて、ステレンボッシュやコンスタンシア、ウォーカーベイなど有名なワイン産地もこの西ケープ州の中に位置しています。

今回のワインは、Piekenier Skloof Wine Companyというワインメーカーが作っていますが、公式ホームページにはあまり情報が載っていませんでした…。

「RED」とだけ書かれているということは、ワイン作りにおける規制をほとんど受けないので、その時安く美味しくできたブドウを自由に使ってワインを作れます。消費者としては安くて美味しいワインを頂けるというメリットがあります。

見た目はなかなか濃いのですが、イチゴジャムのような甘くてジューシーな香りや、レッドチェリー、レッドプラム、タールのような香りを感じました。飲みやすくておいしい、安ウマワインの典型的な一本でした。

タン・イン・グルーヴ ノース・ カンタベリー ピノ・ノワール 2015

ブラインドテイスティングで出された際、ガーネット色で、すっかり熟成したワインでした。森の下生えや土の香りの奥から、レッドプラムのような赤系果実の香りをかすかに感じます。バニラ、コーヒー、カカオなどの香りもありました。

いざ、ボトルを見せていただくと、なんともお洒落なラベルではありませんか!

ニュージーランドの北カンタベリー、ワイパラバレーの緩やかな北向きの斜面に面したケイバルという畑で取れたピノ・ノワールを使ったワインです。畑は粘土と破片化した石灰石が混ざった土壌で、サステナブルなブドウ栽培によって育てられたブドウを使っています。

ブドウは3月下旬に手摘みにより注意深く収穫され、全房のまま、野生酵母を使って18〜24日間、発酵させています。熟成はフレンチオーク樽で行われ、全体の25%のみ新樽を使っています。

公式HP:https://tongueingroove.co.nz/shop/2014-cabal-pinot-noir/

ヘス シャーテイル ランチス シャルドネ 2018

アメリカ カリフォルニア州 モントレーで作られた白ワインです。もともとこちらのワインはレストラン用に、様々なお料理に合うように作られたワインなのですが、コロナ禍でレストランでの需要が激減したため、海外市場に出てきたワインです。

ブドウ品種はシャルドネを使用しています。2017年ヴィンテージの情報によれば、6ヶ月ほどシュールリーを行い、5%だけMLFを行っています。さらに、5%はフレンチオークの新樽を使って熟成しているそうです。2018年ヴィンテージも近い形で作られていると推察されます。

モントレーは、下の地図の通り、太平洋沿岸に位置するワイン産地です。こちらのシャルドネは、モントレーの中でも特に太平洋の涼しい風と霧の影響を受ける地域で育てられています。穏やかな気候で育ったこちらのシャルドネは、柑橘系果実や青リンゴのような爽やかでキリッとした酸味があります。

さらにフレンチオークの心地よいバニラの香りやメロンのようなトロピカルフルーツ、グレープフルーツ、洋ナシ、スモモ、シャルドネ特有のパリッとしたミネラル感もあります。

アメリカのシャルドネというと、フルボディで樽の香りが強いボリュームのあるワインを想像しますが、こちらのワインは非常にエレガントで、良い意味で裏切られるワインでした。

ヴィニウス シラー ペイドック 2018

フランスのラングドック・ルーション地方のワインです生産者はジャン=クロード・マス エステーツ&ブランズ。

こちらのワインはシラーというブドウ品種100%を使って作られています。シラーは比較的暑い地域でないと熟さない品種です。ラングドック・ルーションは南フランスに位置し、ローヌ川から西側のスペイン国境までの広大な地域を指します。南フランスなので暖かく、気候も地中海性気候で、ブドウの生育にはぴったりの地域なのです。

こちらのワインは樽とステンレスタンクで50%ずつ熟成させてブレンドしています。樽はフレンチオーク(20%)とアメリカンオーク(80%)の古樽を使っているそうです。

ラングドック・ルーションのシラーは、他のブドウ品種とブレンドされることが多いですが、こちらは100%シラーです。異なる熟成方法をしたワインをブレンドすることで、味わいに複雑性や奥行きを持たせているのかな?と思いました。

熟したカシスやプラムの香りが心地よく、タンニンは滑らかで口当たりのよいワインなので、とても飲みやすかったです。

コノスル ビシクレタ・レゼルバ ゲヴュルツトラミナール2020

ライチ&白バラの香りで知られるゲヴュルツトラミネール。このワインはさらに、白い花や草の香りも感じました。

「コノスル ビシクレタ・レゼルバ」シリーズの中の1本。ラベルの自転車は、自然のサイクルを尊重したブドウ栽培と、毎日ブドウ畑へと自転車で向かう農夫たちを象徴しているそうです。

すごいなと思うのは、手摘みで収穫しているところでしょうか。機械収穫に比べると、労働力が必要になるので、どうしても高額なワインになりがちな手摘みのワイン。にもかかわらず、こちらのワインは1,000円程度で買えてしまう驚異的なコスパワインです。

ゲヴェルツトラミネールはエスニック料理によく合うことで知られていますね。我が家にエスニック料理がなく、まだ合わせていないうちに飲み切ってしまいそうです…。

ピケットフェンス トップレール レッドブレンド 2014

偶然通りかかったKALDIで、元値4,000円くらいのワインが叩き売りされて1,200円くらいで売っていたので、買いました。アメリカのカリフォルニア州、ソノマ・カウンティの赤ワインです。

一般的に、4,000円くらいするアメリカのワインだと、ラベルにブドウ品種名が書かれていることが多いのですが、こちらのワインは「レッドブレンド」つまり、複数の黒ブドウをブレンドしていることしか明記されていない、面白いワインでした。

調べてみると、このワインはソノマの中でも、ロシアンリバー、ソノマコースと、アレクサンダーバレーの畑から収穫されたブドウを使っているみたいです。

本国の作り手さんのWebサイトには18ドルとあったので、今回、私が手に入れた1,200円はかなりの破格で販売されていたように思います。

黒系果実(プラム、チェリー、ブラックベリー)、バニラ、少しココナツの香り。そしてナツメグ、クローブのようなスパイスの香りはなかなか強く、カカオ、コーヒーのような香りもあります。タンニンが溶け込んでいて、渋みやギシギシ感はあまり感じませんでした。スムーズで飲みやすいワインですが、薄っぺらいという意味ではなく、風味の強さは強くてパワフル。さらに余韻も長い美味しいワインでした。

まだ売っていたら追加で購入したいと思い、1週間以内にKALDIを再訪したものの、もう売っていませんでした。残念。

アラン・ブリュモン ル・プティ アルブージエ タナ 2017

ファミリーマート限定のワインだそうです。かく言う私もファミマで購入しました。

アラン・ブリュモンはフランスの南西地方にあるマディラン最高の作り手と呼び声高い生産者です。南西地方?マディラン?どこ?と思いますよね。地図で見るとこちらです。

南西地方は、非常に広大な地域を一括りにされてしまっているので、特徴のようなものが掴めないのですが…。なかでもマディランは非常に濃い色でタンニンが多く、長期熟成型の赤ワインの生産地として、歴史的にも有名な産地です。その濃い色の赤ワインを作るブドウ品種こそ、タナ。その名が「タンニン」に由来するのですから、タンニンが多いのが特徴の黒ブドウです。

現代では、近代的なワインの製造方法のおかげで、タンニンの感じが以前よりも柔らかくなっているそうです。

たしかに、今回ファミマで購入したこのワインも「タナ=タンニン」のイメージが拍子抜けするほど滑らかで飲みやすいワインでした。香りはとっても華やかで、黒系果実の香りが濃厚。

一般的に、この価格帯のワインは「フルボディ」と謳っていても結構ミディアムボディだったりするのですが、これはかなりフルボディに近いと思いました。ほぼフルボディなのですが、完全にフルボディと言い切れないのは、タンニンが柔らかく主張してこないから。逆に、タンニンが強いワインの収斂性(渋みや歯ぐきがギシギシする感じ)が苦手な人にも、割とオススメしやすいワインなのではないかな、と思いました。

とりあえず、ファミリーマートで販売しているので、手に入りやすいのがポイント高いです。また買いたいです。

まとめ

2021年2月は12本のワインたちと出会いました。

ワインの勉強会があると、一気に出会いの数が上がりますね。後半、100mlへの小瓶分けをしなかったので、ハイペースで消費してしまった感はあります…ちょっと反省。

そろそろ春なので、3月はロゼワインとか楽しめたら良いなと思います!