2018年10月にランスのノートルダム大聖堂に行きました。今日はワイン好きの視点から、ノートルダム大聖堂の見どころをご紹介します。
シャンパーニュ地方へワイナリー巡りへ行く方は、知っておけばノートルダム大聖堂が2倍楽しめるかも、です。
ランスとワインの関係
ランスとワインとの関係は、フランク王国最初の王朝であるメロヴィング朝の創始者クローヴィスが496年にカトリックへと改宗したことが、最初の転機となります。すでにカトリック教徒であった妻の勧めで、クローヴィスは従士3,000人とともにランス大司教の聖レミギウスの手で受洗しました。
クローヴィスの洗礼に関しては、こちらの記事でも紹介しています。
>>> ランスの世界遺産 サン・レミ聖堂とワインの歴史
以来ランスは、歴代国王が戴冠・成聖式をおこなう場所となったのでした。
ランスの司教や修道院は、この頃からブドウ畑を開墾しワインを作っていました。彼らは宿泊産業も担っており、旅行者をもてなすためのワインの品質向上に努めたのです。
時はくだって12世紀頃になると、シャンパーニュ地方は、地中海地方と北海を繋ぐ街道に位置するという地の利を活かし、経済的に大きく発展しました。シャンパーニュ大市の開催地として中世ヨーロッパの経済の要となったのでした。こうして集まった商人たちがシャンパーニュのワインを味わうことで、その名声が各地へ広まることとなったのです。
17世紀後半。絶対王政全盛期の国王ルイ14世の時代には、シャンパーニュ地方のワインは国王に大変気に入られていたという記録も残っています。国王は若い頃、シャンパーニュのワインしか口にしなかったのだそうです。(晩年はブルゴーニュワインを飲むようになりますが、この話はまた別の機会に…)
ちなみに当時のシャンパーニュ地方のワインは、現代のような発泡性ワインではありません。シャンパーニュが発泡性ワインとなるのはルイ15世の治世まで待つ必要があります。
ノートルダム大聖堂のステンドガラスの中には、ワイン作りの様子を描いたものもあります。とても高いところにあるので、よく探してみてくださいね。
写真で知るノートルダム大聖堂とその歴史
ランス・ノートルダム大聖堂は、13世紀に着工されました。シャルトル大聖堂、アミアン大聖堂に並ぶフランス屈指のゴシック建築と称されています。
下の写真は後ろから撮影したものです。夜はこのようにライトアップされています。
クローヴィスの故事にならい、ジャンヌ・ダルクがシャルル7世をかついで戴冠式をおこなわせたのもランスのノートルダム大聖堂でした。そうしたエピソードから、ノートルダム大聖堂はジャンヌ・ダルクゆかりの地として知られ、彼女の像を複数見ることができます。
ファサード(正面部分)は15世紀に完成しました。下の写真は内部のファサードとバラ窓です。
入り口の天使の彫刻の中には有名な「微笑みの天使」もいます。
第一次世界大戦中にドイツ軍の空爆を受けて一部焼失し、20年の歳月をかけて修復されました。
聖堂内部には20世紀を代表する画家シャガールによるステンドグラスもあります。1974年に完成したこちらのステンドグラスは、入り口から入って一番奥の方にあります。
ノートルダム大聖堂の内部も覗いてみましょう。
インフォメーション
ランスのノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims)
住所:3 Rue Guillaume De Machault, 51100 Reims
公式HP:http://www.cathedrale-reims.fr/en/
入場料 無料
開門時間 7時30分~19時30分
定休日 なし