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自転車で行くナパ・ヴァレー ワイナリーツアー

2023年8月にアメリカ・カリフォルニアのナパ・ヴァレーに行きました。私の旅程はこちらからご覧いただけます。

自転車の旅が生まれた背景とルートマップ

今回の旅、一番の特徴は自転車を使ったことです!人生初!自転車で行くワイナリーツアーです!(大興奮)

まずは、自転車を借りて移動したルートをご覧ください。

基本的には、ナパ・ヴァレーで一番大きなメインストリートを使いました。

セントヘレナから南下して、ラザフォードを通りオークヴィルまで行き、そこで寄り道をしながらまた北上して戻るコースです。まったく同じ道でしたが、車道が違うので、見えるワイナリーの景色も少し異なって、楽しいルートでした。

ナパに行くと決めてから、ずっと悩んでいたのが、ナパ・ヴァレー内の移動です。Google mapを駆使して、何度も距離感を確認し、アメリカが広すぎてどうやって移動すれば良いかと途方にくれていました。

車社会なのに車を使えないわけですから。

Uberという手もあるのかもしれませんが、旅費は少しでも抑えたい…。

そんな時、カリフォルニアワインのことなら何でも知っているアンディ松原さんから、レンタサイクルショップについて教えていただきました!(アンディさん、ありがとうございました!!)

https://www.visitnapavalley.com/things-to-do/bike/

こちらのサイトを見ると、ホテルから徒歩圏内にレンタサイクルショップが!!

そんな経緯から、「チャリで行くナパヴァレー」計画が爆誕したわけです。

13:00 レンタサイクルショップ

レンタサイクルショップは11時からの営業だったので、朝は徒歩で、ホテルから程近いワイナリー2軒を訪問。その後、お昼くらいにレンタサイクルショップ「Trek Bicycle St. Helena」に行きました。

https://www.visitnapavalley.com/listing/trek-bicycle-st-helena/2131/

自転車を借りたい旨を伝え、たしかパスポートを見せて、簡単なペーパーワークを済ませたら、お店の奥の方から、本日の相棒となる自転車が登場〜!

アメリカで自転車に乗るのは初めてなので、一応、交通ルールも確認しました。ざっくりこんな感じでした。

  • ヘルメットの着用義務はないが、着用することをお勧めする(ヘルメットも借りれました)
  • 車と同じく、自転車も右側通行をすること
  • 基本的には車道を走ること

ではさっそく出発です!

セントヘレナを南下するとすぐに、ラザフォードに入りました。

南下する私の右側には、ナパの西側にあるマヤカマス山脈が見えます。この山の向こう側は、もう一つの銘醸地であるソノマ・カウンティが広がります。

13:30 Grgich Hills Estate

自転車の旅、初めての目的地はガーギッチ・ヒルズ・エステートです。1976年の「パリスの審判」で白ワインの1位を取ったシャトー・モンテレーナのワインメーカーであるガーギッチ氏のワイナリーです。今年、ガーギッチ氏は100歳の誕生日を迎えました!おめでとうございます。

素敵な噴水のあるテラス席に通していただきました。

すでに2軒もワイナリーを巡り、色々テイスティングした後なので、さすがにここでは1杯だけしか飲めず…。飲んだことがなかったので、ソーヴィニヨン・ブランを選びました。

ワイナリーのすぐそばを、ワイントレインが走ります。ワイントレインは、ガーギッチ・ヒルズ・エステートを訪問するプランもあるほどなので、この近さは他のワイナリーでは、ほとんど見ることはないかもしれません。

ワイナリーの屋内にも立ち寄りました。

建物の裏には、ガーギッチ・ヒルズ・エステートのヴィンヤード(ブドウ畑)が広がります。

ガーギッチ・ヒルズ・エステートを後にして、さらに南下を続けます。暑いけど、時々吹き抜ける風が涼しくて、湿度も低くカラッとしていて最高。ワイナリーを巡らなくても、ただの自転車での移動だとしても楽しいです。

そうこうするうちに、オークヴィルに入りました!

14:45 Robert Mondavi Winery

来ました〜!カリフォルニアワインといえば!ロバート・モンダヴィです。この建物に見覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ワインのラベル(エティケット)に描かれている「あの」建物です。

ト・カロン ヴィンヤード通過

先ほどのロバート・モンダヴィの看板にもあった通り、この辺りにはト・カロン・ヴィンヤード(To Kalon Vineyard)が広がります。

Napa Valley Wine Expertの教科書には「ナパ・ヴァレーで最も重要で歴史的な畑」と紹介されていて、ロバート・モンダヴィ、オーパス・ワン、写真のベクストファー・ヴィンヤードなど、著名なワイナリーがこの畑の区画を所有し、高品質なワインを生産しています。

15:00 Welcome to Napa Valley Sign (South)

シャンパーニュならドンペリニョン像、ブルゴーニュならロマネ・コンティの十字架と、ワイン産地には、外すことのできない撮影スポットがあります。

ここナパ・ヴァレーにも、わかりやすく大きなサインがあります。しかも2箇所!!

こちらは南側のサインで、北側のサインは、ナパ・ヴァレー最北端AVAであるカリストガにあります。

15:20 ランチ

ようやく本日のランチ。Oakville Groceryというカフェのようなお店に入りました。

お昼はサンドイッチとコーヒーです。ナパ・ヴァレーは地球環境にやさしい栽培方法を推進している地域なので、こういうものを外で食べていると、ハエがすごく飛んできます笑

まあ仕方ない。

このお店、メニューが面白かったです。

ラザフォード・サンドウィッチにヨーントヴィル・サンドウィッチ、オークヴィル・サンドウィッチ。いずれも13ドルです。

15:50 Opus One

オークヴィルといえば外してはならないワイナリーがありますよね。そう。有名なオーパス・ワンです。

先ほど見たロバート・モンダヴィと、ボルドーメドック格付け第一級のシャトー・ムートン・ロスチャイルドとの夢のコラボレーションを果たしたこのワイナリー。

ワイナリーを訪問し、テラスでテイスティングするのに100ドル。内部を見学してテイスティングするコースは200ドル。どうしようかずっと悩んでいたら、怒涛の7月に入ってしまい、予約できずじまいでした…。

せめて建物だけはこの目に焼き付けたいし、ブドウ畑の空気だけは吸いたい。そんな気持ちで訪問しました。

ということで遠くにあの建物が見えてきましたよ。

ズーム!

せっかくなので、入り口にも行ってみましょう。

これがオーパス・ワンの看板。上品だ〜。

まあ、入れないので…。滞在時間3分で、次のワイナリーへ移動です。

横の道に入ったところからも、建物を見ることができました。さよなら〜、オーパス・ワン。

16:00 Silver Oak

次はシルバー・オークに到着!

シルバー・オークは「Life is a Cabernet」という名言があるように、カベルネ・ソーヴィニヨンに特化したワインづくりで有名なワイナリーです。

また、アメリカン・オークへのこだわりもあります。最近のナパ・ヴァレーのワインは、フレンチ・オークを使うものがすごく多いのですが、シルバー・オークは違います。

私がNapa Valley Wine Expertの勉強をしていたときに試飲した2016年のSilver Oak Cabernet Sauvignonは、新樽を84%使い、香りにはココナッツの甘やかな香りがしました。

この看板からまっすぐ直線に伸びる脇道を、自転車で駆け抜けますよ。これがとても気持ちよかった!

ぜひ↓の動画、ご覧くださいね。片手運転で頑張って撮影したんです。

Beaulieu Vineyard

ボーリュー・ヴィンヤードは、禁酒法時代においても、カトリック教会のためにワイン生産を続けていた、歴史的なワイナリーです。

偶然通りかかったので、パチリ📸

St. Supery

日本では、アサヒビールが販売しているということだけ知っている、サン・スペリ。

https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/st_supery/

この少し先に木陰の美しい小道があったので、自転車を降りて、一休み

ワイン産地としてのナパ・ヴァレー

ナパ・ヴァレーは、産地を挙げて環境に優しいワイン作りに取り組んでいます。

このナパ川も、重要な水体系のひとつ。特にカリフォルニアの夏は水不足に陥りやすいので、節水を呼びかける声は、旅行中にも頻繁に耳にしました。

自転車で移動中、こんなに可愛い子たちにも会いました。日差しの暑い日だったので、みんな日陰に避難しています。

ナパにいると、時々目にするのがこの「Napa Green Certified」の看板です。

ナパ・グリーンは、2004年にサステナブルなブドウ栽培を目的として始まった取り組みでしたが、現在はその範囲がワイン作りにまで広がっています。

このプログラムに参加するブドウ畑は、今後6〜9年以内にカーボン・ニュートラルorカーボン・ネガティブにする計画書を作成しないとなりません。

ここからはナパの地形のお話です。

下の写真はナパの東側にあるヴァカ山脈。西陽を浴びるため、非常に乾燥しています。

一方、下の写真はナパの西側にあるマヤカマス山脈。東を向いているので、暑い日中の時間帯は日差しが遮られ、湿度を保つことができるため、ヴァカ山脈に比べて緑が多いです。

こうした2つの山脈と、その間に位置するヴァレー・フロアが、微妙な地形の違いによって、さらに細かくAVAに分かれていて、それらがワインの味わいにも影響を与えている点で、とてもユニークなワイン産地だと感じました。

それと、この辺りは朝がとても涼しいという特徴があります。この日も日中は34度まで上がりましたが、朝は16度程度で、半袖では肌寒く、長袖のパーカーを着て朝食を取りに行きました。

寒暖差もまた、美味しいワインを作る気候の特徴なので、それもまた感動しました笑