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  >  ワイン旅   >  アメリカ   >  サンタバーバラの名門オー・ボン・クリマで味わうワインテイスティング

カリフォルニア州サンタバーバラに位置するオー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)は、フランス・ブルゴーニュを彷彿とさせるエレガントなワイン造りで知られるワイナリーです。今回は、そのテイスティングルームを訪れ、同じ造り手が手がけるピノ・ノワールの多様性に驚かされた体験をお伝えいたします。

シャルドネの洗練された魅力

2021 Chardonnay, Sanford & Benedict

まず試したのは、オー・ボン・クリマのシャルドネ。このワインはフレンチオーク100%で18ヶ月熟成させており、グラスに注ぐとオレンジやトロピカルフルーツの芳醇なアロマが広がります。バニラやシナモン、くるみといった香ばしいニュアンスも感じられ、リッチでありながらもエレガントな味わいが印象的でした。

造り手の哲学が映し出されるピノ・ノワール

続いて、本命のピノ・ノワールを数種類テイスティングしました。同じブドウ品種でありながら、それぞれの畑の個性が際立ち、味わいに違いが生まれることに改めて驚かされました。

2022 Talley Rosemary

グラスに鼻を近づけると、最初にディルのようなハーブの香りを感じました。しばらくしてハーブの香りが落ち着くと、赤系果実のフレッシュな香りが現れ、ブラックチェリーの奥深いレイヤーも感じられます。テイスティングコメントにあるセージの香りも納得の一本です。

2020 Pinot Noir, Sanford & Benedict

こちらはストロベリーやドライフラワー、少し枯れ葉のニュアンスが漂う、華やかで洗練されたスタイル。フレッシュさと熟成感が絶妙に調和し、個人的に最も好みの味わいでした。

2021 “Isabelle”

テイスティングを担当してくださった店員さんが「最も有名だと思う」と紹介してくれたワイン。グラスを回すとセイボリーなハーブ、チェリー、オレンジピールの香りが立ち上ります。香りと味わいのバランスが素晴らしく、こちらも非常に魅力的でした。

2020 “Knox Alexander”

今回試した中で最もスパイシーなピノ・ノワール。一般的にピノ・ノワールは繊細なタンニンを持つものが多いですが、このワインはしっかりとしたスパイス感と細かいタンニンを備えており、まるで別の品種を飲んでいるかのような印象を受けました。

テロワールの違いを体感する楽しみ

同じワイナリーで造られたピノ・ノワールでありながら、ボトルごとの個性がしっかりと反映されているのは、さすがアメリカを代表する生産者。オー・ボン・クリマのワインは、それぞれが異なる表情を持ちながらも、エレガンスとバランスを備えている点が印象的でした。

ワインの奥深さを改めて実感できる素晴らしいテイスティング体験。サンタバーバラを訪れる際には、ぜひオー・ボン・クリマのワインを試してみてはいかがでしょうか。

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