
今はなき パリ発ニース行き夜行列車の記憶
2004年9月に南フランスを一人旅した時の写真が出て来ました。どのような手配をしたか、はっきりと覚えていないのですが、簡単にご紹介します。
全行程、自前での手配です。旅行会社さんには一切お願いしていません。
2004年はまだインターネットが普及し始めたばかりで、今のように「どんな情報もgooleが教えてくれる」時代ではありませんでした。
そんな中、唯一フランス・ツーリズム旅行情報局というサイトだけ、フランスの旅行についてすごく詳しく載っていたのです。このサイトで紹介されている情報を頼りに、必死に旅の手配をしたことを覚えています。
フランス・ツーリズム旅行情報局さんに旅の報告をしたくて、列車の車内の写真を撮影してきたのですが、いざ報告をしようとしたところ「現在、投稿の募集を一旦止めています」となっていて、そのまま放置していました。
当時の旅のルートは、パリ→ニース→エクサンプロバンス→パリ→帰国というもので、ニースにホテルを取って、そこを拠点に周辺の町(モナコとエズ)を訪れました。
この記事のタイトルそのままなのですが、パリからニースへの移動は、夜行列車(コライユという名前)を使用したのです。若かった私はフットワークが軽かった…。夜行列車を使った理由は、
移動と宿泊をまとめればホテル代を1泊分節約できるし、夜行列車とか超おもしろそう!!
と思ったからです。
久々に、あの頃にどんな列車を使ったか調べていたのですが、パリ〜ニース間の夜行列車は、2017年12月に廃止となっていました。
パリにはSNCF(国鉄)の駅がいくつかあります。サン・ラザール駅、北駅、東駅、リヨン駅、モンパルナス駅、そしてオーステルリッツ駅です。
つまり「パリ駅」というものは存在せず、目的地や路線によって使う駅が変わる訳です。
例えばこんな感じです。
- パリから北上してベルギーに行くタリスという列車は、北駅から出発
- フランス南西部のボルドーへ行く場合はモンパルナス駅
- 南フランスのニース行き夜行列車は、オーステルリッツ駅からの出発
治安が悪いことで有名な北駅・東駅と比較して、オーステルリッツ駅はまだ安心できる雰囲気でした。

出発は21時くらいだったと思います。
こちらが駅舎の中の写真です。日本のターミナル駅である東京駅や京都駅などと比較すると、だいぶこじんまりとしていたと記憶しています。

フランスには改札がないので、チケットを刻印機で刻印したら、そのまま列車に乗り込みます。当時はe-チケットが浸透しておらず、チケットを発券して貰ってから電車に乗りました。
最近のe-チケットの場合は、刻印すら必要ありません。

何等車を利用したか明確には覚えていませんが、たぶん2等車だったと思います。シャワー・トイレなしの2名用のお部屋です。このような形で椅子があり、さらに2段ベッドまで用意されていました。


椅子の前にあるこちらのテーブル。

実は秘密のテーブルで、開けると洗面台になっています。

洗面台の上には、小さなキャビネット付きの鏡も設置されています。

飲料水やアメニティまで置いてありました。ちょっとしたホテルのようですね。

冒頭でもご紹介した通り、この旅は私一人だけの一人旅。しかしお部屋は2人部屋なので、もしかすると別のお客さんも一緒になるかも…。と、少し緊張して待っていたのですが、結局誰も入って来ませんでした。一人でのびのびとこのお部屋を使わせていただきました。
ドアには鍵がかかるので、危ない目には遭いませんでした。
トイレは部屋の外でしたが、トイレに行く時には誰にも会うことはなかったです。オーステルリッツ駅を出発したばかりの時は、清潔できれいなトイレだったのですが、南フランスに到着する頃には、すっかり汚くなっていました…。
飛行機のように、キャビンアテンダントさんのような方が清掃に入ることはないようです。
寝心地は悪くなかったです。夜行列車が初めての私も、結構しっかり寝れました。ただ、途中でガタン!と揺れる時があって、その時は「地震!?」と寝ぼけて目を覚ましてしまいました。
夜明け頃、映画祭で有名なカンヌに到着しました。とてもブレていますが、カンヌです。

そしてそこはもう南フランス。 夢の地中海が目の前に広がります。


こうして翌朝8時くらいにニース駅に到着しました。
日本と比較して、フランスは公共の交通の価格が安いと思います。TGVにいたっては、新幹線と比較して1/3から1/2程度の価格で乗れます。
フランスの地方はそれぞれに歴史と文化が色濃く残っていますし、地方の人はとても親切なので、私はパリ以外のフランスもとても好きです。
いつかまた行きたいなぁ〜。