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  >  ワイン旅   >  フランス   >  フランス・ボルドー地方のご紹介

私がボルドーを訪れたのは2019年のことです。本稿でご紹介する写真は、現地で自ら撮影したものとなります。フランスを代表するワイン産地であるボルドーへは、ワイナリーの訪問と、彼の地における美味しいものを見つけに行きました。

ボルドーの地理とその象徴的な風景

ボルドー地方はフランス南西部に位置し、その地名は「水のほとり」を意味する古語に由来します。地図を見てみると、地域の中心には大きな河川が流れていることが分かります。東側を流れるドルドーニュ川と西側のガロンヌ川が合流し、ジロンド川を形成。最終的にこの川は大西洋へと注ぎ込みます。

ボルドーはフランスを代表するワイン産地であり、その名声は世界的にも確立されています。パリからはTGV(フランス版の新幹線)で約2時間、飛行機では約1時間で到達可能です。このアクセスの良さも、ボルドーのガストロノミーツーリズムを支える要因のひとつといえるでしょう。

ボルドー市内の景観

飛行機でボルドーに降り立ち、まず目に飛び込んでくるのは、ガロンヌ川とその両岸に広がる歴史的な街並みです。ボルドーはかつて港町として栄え、ガロンヌ川沿いにはワインを積んだ貿易船が停泊し、イギリスやドイツへと出航していきました。このように、ワインの国際交易の中心地であったことが、現在のボルドーのワイン文化の礎を築いています。

ボルドーのワインショップ

市内には数多くのワインショップが立ち並び、それぞれに異なる品揃えがあるため、訪問者は多様なワインを比較しながら選ぶことができます。

特に L’Intendant というワインショップは、ボルドーワイン専門店として広く知られています。店内には螺旋階段を中心に何層にも渡ってワインが陳列されており、その光景は圧巻です。ボルドーワインだけを扱うにもかかわらず、膨大な品揃えが可能である点からも、この地域のワイン文化の豊かさがうかがえます。

ワイン木箱の再利用

ボルドーでは、ワインの木箱が日常的に再利用されている様子が印象的でした。自転車のカゴとして使用されているほか、青空市場では棚として活用されている場面も見かけました。ワイン産業が根付く地域ならではのサステナブルな取り組みとして興味深く、他地域ではあまり見られない特徴的な光景でした。

ボルドー発祥の伝統菓子・カヌレ

ボルドー市内では、地元発祥の伝統菓子 カヌレ を至るところで見かけます。特に、赤い看板のカヌレ専門店はチェーン展開されており、市内にはもう一つの有名なカヌレ専門店も存在します。また、市場(マルシェ)でも大小さまざまなサイズのカヌレが並び、観光客だけでなく地元住民にも親しまれていることが分かります。

興味深い点として、ボルドーではコーヒーに添えられる菓子として、小さなカヌレが提供されることがあります。一方で、パリでは一般的にチョコレートが添えられることが多いため、この小さな違いからも地域ごとの食文化の特徴が感じられます。

まとめ

ボルドーは、ワインのみならず、食文化全体においても独自の発展を遂げた地域です。ワインの生産・流通の歴史が街の風景や商業に深く関わっており、その影響は菓子文化や持続可能な資源活用の場面にも及んでいます。このように、ボルドーのガストロノミーツーリズムは、単なる食の体験にとどまらず、地域の歴史や文化と密接に結びついたものとして捉えることができます。

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