
ボルドーとブルゴーニュ
ボルドーのワインをご紹介するにあたり、まずは他のワインと比較して見てみましょう。
イントロダクション
フランスには代表的なワイン産地が2つあります。一つはボルドー。もう一つはブルゴーニュです。ボルドーはフランスの南西部に、ブルゴーニュはフランスの中央、少しだけ東寄りにあります。
ボトルの違い
まず分かりやすいところで言えば、ボトルの形状の違いがあります。
ボルドーワイン
いかり肩
ブルゴーニュワイン
なで肩
ブドウ品種の違い
まず大前提として「ボルドーワイン」とか「ブルゴーニュワイン」とか名乗るために使用できるブドウ品種は、法律で決まってたりします。なので、許可されてないブドウ品種を勝手に使うと、そういう名称を使えなくなります。
ボルドーワイン
ボルドーのワインは複数品種をブレンドして作ります。
赤ワインなら、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、プティ・ヴェルド、白ワインならソーヴィニョン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルなどが代表的なブドウ品種です。それぞれのブドウ品種を使ってワインを作り、それらをブレンドして完成させます。
ちなみに地球温暖化の影響で、これまでのブドウ品種では栽培が難しくなりつつあります。そこで、2021年の作付から6種類のブドウ品種が新たに追加されました。
- アリナルノア
- カステ
- マルスラン
- トウリガ・ナショナル
- アルヴァリーニョ
- リリオリラ
なぜボルドーでは複数のブドウをブレンドするかと言えば、その理由の一つには気候が関連しています。
ブドウにとって、雨は天敵です。収穫時期に雨が降ると、ブドウは水分を吸って、ブドウの味わいが水っぽくなってしまうのです。ボルドーは大西洋に面した「海洋性気候」のため、フランスの他の産地に比べて雨が降りやすいです。
そこで、結実や成熟のタイミングが異なる複数のブドウを使うことで、収穫時期に雨が降ってブドウが全滅してしまうリスクを分散しています。
ブルゴーニュワイン
ブルゴーニュでは、単一品種、つまり一種類のみのブドウ品種からワインを作っています。赤ワインの主要品種はピノ・ノワールとガメ、白ワインの主要品種はシャルドネとアリゴテです。
特にピノ・ノワールとシャルドネからは、世界中のワインラヴァーが愛してやまない高級ワインが作られます。ブルゴーニュはピノ・ノワールとシャルドネの故郷なので、環境がこれらの品種に合っていて、高品質のブドウ&ワインを生産できるんですね。
「環境が合っている」というのがどう言うことかと言えば、土壌が石灰岩だとか、気候が温和だとか、大陸性気候で雨が少なく、病気になりやすいこれらの品種を育てやすいとか、そういう点において有利と言うことです。
歴史
ボルドーワイン
ボルドーワインのラベルには、よく「Château 〇〇」と書かれています。
Château(シャトー) はフランス語で「お城」や「王侯貴族の住居」を意味します。
ボルドー、特に高級ワイン産地のメドックでは、貴族が、自分たちが飲むためのワインを自分たちで作っていました。そのためシャトーでのワイン作りが定着し、シャトーという言葉がワイナリーを表す言葉になったと言われています。
ブルゴーニュワイン
ブルゴーニュは11世紀頃から修道院によって開拓されました。
彼らは非常にストイックなワイン作りをしていました。完全性を追求するため、ワイン作りの様々な手法が実験されました。
そうした中、混合栽培の禁止や高級品種の優先栽培と改良といった、現在の単一ブドウ品種によるワイン作りにつながる手法が生み出されました。