なぜ魚料理に赤ワインが合わないか?

原因はワインに含まれる鉄分

「林先生の初耳学」というテレビ番組で「なぜ魚料理に赤ワインが合わないか?」という問題が林先生に出題されていました。

林先生は、その科学的根拠も含めてしっかりと回答されていました。ある研究結果によると

魚の不飽和脂肪酸が赤ワインの鉄分に反応し、生臭い成分が発生する

TBS 「林先生の初耳学」より

のだそうです。

番組では、鉄分があまり入っていない赤ワインを選べば、組み合わせによっては美味しく食べられる、とも紹介されていました。

根拠となる論文を発見

調べてみると、こちらの研究結果はあの大手酒類メーカー、メルシャンの田村 隆幸さんという方が論文を出されていました。

ワイン中の鉄は,魚介類とワインの組み合わせにおける不快な生臭み発生の一因である

しかも、ワインに含まれる鉄分が原因なので、赤ワイン・白ワインは関係ありません。鉄分は白ワインにも含まれているためです。

それまでは赤ワインに含まれるタンニンが、魚に合わないと信じられていたのですが、その科学的根拠はなく、この実験でもその説が立証されませんでした。

なぜワインに鉄分が含まれるか?

ワイン中の鉄を含む金属類の由来は 3 つあるそうです。

一つめは土壌。ブドウの生育に伴ってブドウに蓄積していきます。ブドウの品種や成熟度、土壌の性質などの影響を受けます。

二つめは外部からの混入。ブドウ畑でブドウに付着する砂埃や農薬などです。

三つめは醸造中の混入。ポンプや配管、タンク、樽など、金属製の醸造装置に長時間接触したり、ワインの清澄剤が溶け出したりすることで混入します。

以上が「金属類」の混入ですが、その中でも「鉄分」についても見ていきましょう。

鉄分を減少させる要因は、発酵中に酵母が鉄を消費して減少したり、不溶性の複合体となって減少したり、さらに混濁を発生させないために金属除去されることで減少するそうです。

一方、鉄分が増加する要因は、長期の醸しによりブドウ由来の鉄が増加したり、醸造装置からの鉄の増加などが挙げられます。

どのワインを選べば良いか?

実はこの研究結果によると、鉄分が多く含まれるワインは、ブドウの品種や産地などからは導き出せず、栓を開けてみるまで分からないのだそう。

山梨県の甲州ワインなどは、比較的鉄分が控えめだということは分かってはいるようですが…。

私だったら、開けてみて、飲んでみて、一緒に合わせたかったお料理との相性が悪かったら、お料理をアレンジするという方向で、なんとかペアリングを楽しみたいと考えてしまいます。

いろいろと調べていたら、この論文を書かれた田村さんのインタビュー記事を見つけました。

今回の論文の後に、お料理とのペアリングについても科学的な研究をなさったそうで、油を使うと生臭みが減ることが分かったそうなのです。

論文にも、ヨーロッパでは伝統的に使われているオリーブオイルやサワークリームを使うことで、赤ワインとのペアリングを楽しんで来たとあるので、そういったアレンジをするのが良さそうです。

【インタビュー】前編ーワインファン必読!ワインと魚介で感じる生臭みは『鉄分』だった!?メルシャンの田村隆幸さんにインタビュー

【インタビュー】中編-ワインファン必読!ワインと魚介で感じる生臭みは『鉄分』だった!?メルシャンの田村隆幸さんにインタビュー

【インタビュー】後編-ワインファン必読!ワインと魚介で感じる生臭みは『鉄分』だった!?メルシャンの田村隆幸さんにインタビュー